一昨日の高橋未央さんの
トークショーに引き続き、
今日はヒロヒライ先生の
パラケルススの講義に
参加させて頂きました。
ここのところ、
パラケルススづいています。
パラケルススに対する評価は両極端で、
優れた医師であり
貧しい庶民の味方という良いものと
飲んだくれ・放浪癖・怪しい魔法使い
という悪いものに分かれます。
パラケルススは占星術師でも
あり、生前はアルマナックを
出版していたそう(農事暦)。
没後20年位して
パラケルススのテクストは
どんどん出版され、広まっていきます。
パラケルススといっても
前期・中期・後期で
全くカラーが違っており
とくに後期は魔術や霊界の話が増えます。
なので違う年代のものを
いっしょくたに論じてはいけない
ということを教わりました。
(占星術もケプラー以前と以後では
大きく違うので、うっかり混ぜると
混乱します)
パラケルススの著作ではないものは
「偽パラケルスス文書」と呼ばれます。
錬金術や魔術の特色が濃く
あきらかな偽物でもよく売れたのだとか。
というか、偽物のほうが人気だったよう!
ジュネーブ版のラテン語著作集の前半は
偽パラケルススであり、
魔術師や錬金術師としてのイメージが
決定づけられ、広まりました。
黄色の文字のテクストが
すべて偽パラケルスス!!
偽物と本物があるため
研究するにしても
分けることが必要なのだと
いうことです。
鉱物や金属にも
生命が宿っているという
考え方はグルジェフの
水素理論とも通じていて
興味深いと感じました。
私自身は山内雅夫氏の「占星術の世界」で
パラケルススを知ったのが25歳頃で
今回、30年ぶりに詳しく知る
機会を得ました。
山内氏がパラケルススについて
愛情と敬意をもって紹介されており、
良いイメージを持っていました。
若かりし頃に感銘を受けた部分を
引用します。
「病人を治癒させることには、
天才のパラケルスス自身の肉体は、
永年の飲酒による肝臓障害、
錬金術の実験による水銀中毒、
秘薬「アゾード(阿片)」の乱服で
衰弱しきっており
四十八歳で死んだ時、
その風貌は六十歳以上の
老人に見えたという。
パラケルススにとって、
錬金術はあくまでも
新薬発見の手段であったし、
占星術も、今日の環境医学の
萌芽を思わせるものであった。
彼は錬金術で金を増殖したり、
占星術で個人の運命を
占うことについては全くというほど、
関心を示さなかった。
錬金術も占星術も、
医学の研究のために必要だったのである。
<中略>
1541年9月24日、客死して、
その日の中に 貧民墓地に
埋葬されたパラケルススの墓碑銘は、
ラテン語で、
「不治の病気を驚嘆すべき
医術によって治療し、
その財産の全てを貧しき人々に
分け与えた者」と彫まれている。」
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