Ｎ冥王星とトランジットの土星の合について

Ｎ冥王星とＴ土星の合は、天秤座の初期度数に
冥王星を持つ１９７０年代前半の人たちが
現在、迎えているトランジットです。
これは終焉を迎えるトランジットです。
この配置にネイタルの太陽や月が関わる場合、
より深刻で重要な変化が起きます。
物事や人間関係の潮時を感じる。
何の警告もなくゆっくりと関係が悪化する。
どう取り繕っても、終りが避けられない状況になりつつある。
土星がサインを変える約２年半～３年は影響が残るように感じます。
一つの時代が終わるときなので
今まで自分を支配していた役割や
呪縛から解き放たれる時期でもあります。
ただ遺恨を残してしまう場合もあるし、
呪縛が強まることもあります。
でもこの星回りのときに古い関係を
清算し、身軽になっておかないと、
今後の展開に響きます。
人生の軸を正して、
この先持ち堪えられない荷物を早めに手放すことを
促すようなトランジットです。
特に不愉快なもの、エネルギーのレベルを下げるような人との
関係は一掃しやすいときです。
土星は冥王星のエネルギーを制限し、
発展が必要な分野へエネルギーを注ごうとします。
無駄なエネルギーを浪費する傾向を嫌うため、
暮らし向きも制限し、守りに入ろうとするときです。
土星が冥王星を抑圧するので、エネルギーが爆発しないように
やみくもに制限したり我慢するのではなく、
正しく問題に向き合うことが必要になります。
本当に必要なことにエネルギーを注ぐという行為は、
必ず後から実を結びます。

チャートの方は１９６８年生まれで、妻子ある男性と
十数年にわたって恋愛関係にありました。
Ｎ冥王星－Ｔ土星の星回りのときには
いい加減、関係を終りにしなければと悩み、
何度か彼に別れを切り出していました。
けれども新しい出会いを求めてみても
どうしても彼と比べてしまうし、
彼の方でもしばらくたてば連絡をよこしてくるので
きちんとお別れするのに２年の歳月を要したそうです。
鑑定させていただいたときは、
「仕事を辞めて、郷里へ戻って、見合いしろって言って欲しかった・・・」と
残念がられていました。
仕事面でも閉塞感を感じられていて、人生に強い変化をもとめておられました。
少し前に「新しい彼が出来た」と連絡をいただきました。
結婚を前提にお付き合いされているのだとか。
彼女の仕事は長期間、海外に滞在しなければならないのですが
毎晩、スカイプでお互いの顔を見て話ができ、気持ちを確認しあえて
幸せなのだそうです。
苦しい思いをしながらも、前の恋愛にピリオドを打てたからこそ
今の彼女の幸せがあります。
Ｐ月は１ハウスに、冥王星もＡＳＣに近づいてきています。
１ハウスは生まれたての場所であり、やはり特別であると感じます。
私自身は現在トランジットの太陽がＡＳＣに戻ってきています。
第二の誕生日でありエネルギーを再充電するときです。
お正月のような新たな気持ちで過ごしたいと思います。